思春期診療には長らく苦手意識を抱いていましたが、2021年ごろから少しずつ学び直しています。今回のJPCA2026オンデマンドシンポジウム「思春期と家族をめぐる支援の再考~プライマリ・ケアと家族療法の対話~」は、その学びをさらに深める機会となりました。
若手家庭医のケース検討を軸に話題を広げる構成は秀逸で、各先生方のコメントも示唆に富むものでした。
三者関係をリアルタイムに扱うという新たな気づき
家庭医・総合診療医は、言語・非言語メッセージを駆使した患者―医師の二者関係において、共感と信頼関係を構築するトレーニングを受けています。また、ある程度経験を積んだ家庭医であれば、診察室にいない第三者――患者にとっての重要な人物――を意識しながら診療する「三者関係」の視点も、すでに実践できていると思います。たとえば、患者の話の背景に家族関係や職場の人間関係を読み取りながら関わるといった形で。
しかし思春期診療では、本人と親が同じ診察室にいます。三者関係を頭の中で想像しながら扱うのと、目の前でその関係がリアルタイムに動いているのとでは、求められることがまったく異なります。親から発せられたメッセージが今この瞬間に本人へどのような影響を与えているかを即座に読み取り、同時に共感を示していく――これが今回の新たな気づきでした。
二者関係の信頼を交互に積み上げるだけでは、三者同時の信頼関係を構築するのは難しいのです。シンポジウムでは、親の話を聞きながら本人へ「今つらい話をされているのはわかっているよ、少し待っていてね」と言葉をかけたり、目配せで非言語メッセージを届けたりする技法が紹介されていました。これを知った瞬間、医療面接の可能性がぐっと広がる感覚がありました(実践にはトレーニングが必要ですが)。
若い家庭医の先生、そしてかつての自分へ
シンポジウムに登場した若手家庭医の姿を見て、かつての自分を思い出しました。内科診断学の知識、患者中心の医療、多職種連携、他科領域への柔軟な関心――家庭医が持つ総合的な強みを、なんとなくは感じていても、うまく言葉にできなかった時期が、自分にもあったように思います。心理職や精神科医といった他の医療従事者から「家庭医ってこういうところが強いよね」と言ってもらえることで、ようやく自信を持てる――そんな声かけを必要としていた頃のことを。
このシンポジウムはまさにそういう場面を含んでおり、自分の強みを言語化しきれていない若い先生にこそ見ていただきたい内容です。あの頃の自分にも、見せてあげたかったと思いました。
あの頃の控えめな自分と比べると、こうして臆面もなく書いてしまえる今の自分には、謙虚さが足りなくなったのかもしれません。それでも、あの頃から積み上げてきた経験と、他の医療従事者からいただいた言葉の数々が、今の自分をつくってくれたのだと思っています。
(本記事は、筆者の感想をもとにClaude Sonnet 4.6(Anthropic)の執筆支援を受けて作成しました。)
